高校数学|四次式の因数分解をパターン別に徹底解説!例題つきで完全攻略
四次式(次数が4の多項式)の因数分解は、一見複雑そうに見えますが、いくつかのパターンを押さえておけばスムーズに解けるようになります。このページでは、よく出題されるパターンを整理し、詳しい解き方と例題を用いて徹底解説します。
目次
パターン①:二次式の積に分解できるタイプ
次のような四次式は、二次式の積の形に分解できます。
例題:
\[ x^4 – 5x^2 + 4 \]
これは次のように因数分解できます:
\[ x^4 – 5x^2 + 4 = (x^2 – 1)(x^2 – 4) \]
さらに分解可能な場合は続けて因数分解します:
\[ (x^2 – 1)(x^2 – 4) = (x – 1)(x + 1)(x – 2)(x + 2) \]
このように、四次式が \( x^2 \) の式として表現されていれば、二次方程式の解き方を応用して因数分解が可能です。
パターン②:共通因数でくくるタイプ
四次式に共通因数がある場合、まずそれをくくり出します。
例題:
\[ x^4 + 2x^3 – x^2 \]
共通因数 \( x^2 \) でくくると:
\[ x^2(x^2 + 2x – 1) \]
あとは中の二次式をさらに因数分解できるかどうかを判断します。今回はこれ以上因数分解できないので、
\[ x^4 + 2x^3 – x^2 = x^2(x^2 + 2x – 1) \]
が最終的な答えになります。
パターン③:置き換えで二次式にするタイプ
四次式が \( x^4 + ax^2 + b \) の形になっている場合、\( x^2 = y \) と置き換えることで二次式に変換できます。
例題:
\[ x^4 + 6x^2 + 5 \]
置き換え:\( x^2 = y \) とすると
\[ y^2 + 6y + 5 = (y + 1)(y + 5) \]
戻して:
\[ (x^2 + 1)(x^2 + 5) \]
これが因数分解された形です。
パターン④:複雑な係数のタイプ
係数が複雑でも、展開と比較で係数を調整することで因数分解できることがあります。
例題:
\[ x^4 + 4x^3 + 6x^2 + 4x + 1 \]
これは見た目から以下の展開形に似ています:
\[ (x + 1)^4 = x^4 + 4x^3 + 6x^2 + 4x + 1 \]
よって、
\[ x^4 + 4x^3 + 6x^2 + 4x + 1 = (x + 1)^4 \]
このように、因数分解の公式(完全四乗)を思い出すことも重要です。
パターン⑤:対称性を利用するタイプ
項が左右対称になっている四次式(いわゆる「対称式」)は、特殊な因数分解が可能です。
例題:
\[ x^4 + 1 \]
これは一見分解できなさそうですが、次のように変形できます:
\[ x^4 + 1 = (x^2 + \sqrt{2}x + 1)(x^2 – \sqrt{2}x + 1) \]
あるいは実数係数にこだわらず複素数を許せば:
\[ x^4 + 1 = (x^2 + 1)^2 – 2x^2 = [(x^2 + 1) + \sqrt{2}x][(x^2 + 1) – \sqrt{2}x] \]
高校数学では通常、因数分解は実数係数までですが、複素数の視点も有効です。
まとめ
- 四次式の因数分解は、いくつかの典型的なパターンに分類できる
- まず共通因数があるかどうかをチェック
- 次に \( x^2 \) で置き換えられる形かどうかを判断
- 対称性や公式を使って工夫する場合もある
- 因数分解公式や二次式の因数分解の知識が不可欠
以上のパターンと手順を覚えておけば、四次式の因数分解に苦手意識を持つことなく、テストや入試にも対応できるようになります。