交代式の因数分解を完全マスター!高校数学で差がつくポイントを徹底解説

交代式の因数分解を完全マスター!高校数学で差がつくポイントを徹底解説

交代式とは、変数の入れ替えに応じて符号が変わる特殊な式のことです。本記事では、交代式の性質や因数分解の手法を、高校生にもわかりやすく丁寧に解説します。例題も豊富に紹介し、理解を深めます。

目次

交代式とは?

交代式(alternating polynomial)とは、2つの変数の位置を入れ替えると符号が反転する多項式のことです。特に、次の性質を満たす式を指します:

\( f(x, y) = -f(y, x) \)

つまり、\( x \)と\( y \)を入れ替えるとマイナスになる式です。

例えば、

  • \( x – y \) は交代式です。なぜなら \( x \leftrightarrow y \) のとき \( x – y \rightarrow y – x = -(x – y) \) となるからです。
  • \( x^2 – y^2 \) は交代式ではありません。なぜなら \( x \leftrightarrow y \) のとき \( x^2 – y^2 \rightarrow y^2 – x^2 = -(x^2 – y^2) \) ですが、これはたまたま対称性があるためです。しかし多項式全体が符号反転しなければ交代式とは言いません。

交代式の基本性質

交代式には以下のような性質があります:

  1. 交代式は \( x – y \) を因数にもつ。
  2. 次数が奇数のときに交代式となることが多い。
  3. 交代式に変数の対称性を持たせることで因数分解しやすくなる。

なぜ \( x – y \) を因数にもつのかというと、交代式 \( f(x, y) \) は \( x = y \) を代入すると必ず 0 になるからです。

例:
\( f(x, y) = x^3 – y^3 \)
\( f(y, x) = y^3 – x^3 = -(x^3 – y^3) \) → 交代式
また、\( x^3 – y^3 = (x – y)(x^2 + xy + y^2) \) と因数分解できます。

交代式の因数分解の基本方針

交代式の因数分解では、まず「交代式 = \( x – y \) × 他の対称式」と考えます。つまり:

\( f(x, y) = (x – y) \cdot g(x, y) \)

ここで、\( g(x, y) \) は対称式(変数を入れ替えても値が変わらない式)であることが多いです。

因数分解のステップ:

  1. 交代式であることを確認する。
  2. \( x – y \) を因数としてくくり出す。
  3. 残りの部分が対称式であれば、それを適切に整理する。

交代式の因数分解の典型例

以下は交代式の因数分解の典型例です。

例1:2次の交代式

\( f(x, y) = x^2 – y^2 \)
\( = (x – y)(x + y) \)

例2:3次の交代式

\( f(x, y) = x^3 – y^3 \)
\( = (x – y)(x^2 + xy + y^2) \)

例3:より複雑な交代式

\( f(x, y) = x^5y – xy^5 \)
\( = xy(x^4 – y^4) = xy(x – y)(x + y)(x^2 + y^2) \)

このように、交代式は因数分解することで、その構造が見えやすくなります。

因数分解の実践例題

例題1:

次の式を因数分解せよ:
\( x^3 – y^3 \)

解答:

\( x^3 – y^3 = (x – y)(x^2 + xy + y^2) \)

例題2:

\( x^4y – xy^4 \) を因数分解せよ。

解答:

\( x^4y – xy^4 = xy(x^3 – y^3) = xy(x – y)(x^2 + xy + y^2) \)

例題3:

\( x^6 – y^6 \) を因数分解せよ。

解答:

\( x^6 – y^6 = (x^3)^2 – (y^3)^2 = (x^3 – y^3)(x^3 + y^3) \)
\( = (x – y)(x^2 + xy + y^2)(x + y)(x^2 – xy + y^2) \)

例題4:

\( a^3b – ab^3 + b^3c – bc^3 + c^3a – ca^3 \)

これは3変数の交代式であり、以下のように因数分解できます。

\( = (a – b)(b – c)(c – a)(a + b + c) \)

この因数分解は発展的な内容ですが、大学入試などで出題されることもあります。

まとめとポイント整理

交代式の因数分解において重要なのは以下のポイントです:

  • 交代式の定義を理解する(入れ替えで符号が反転)
  • 必ず \( x – y \) を因数にもつことを覚える
  • 対称式と組み合わせることで因数分解が可能
  • 高次式や複数変数の場合も共通因子や対称性に注目する

交代式は一見難しそうに見えますが、性質を理解すれば非常に規則的で解きやすくなります。ぜひたくさんの問題に触れて、理解を深めていきましょう。

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