n人をちょうどkチームに分ける方法|高校数学で差がつく応用解説
このページでは、「区別のある n 人を、ちょうど k 個のチームに分ける場合の数」について、高校生にもわかるように徹底的に解説します。応用問題や数式の扱いにも慣れて、数学の実力を一歩先に進めましょう。
目次
問題の背景と基本的な考え方
「n人をちょうどk個のチームに分ける」問題では、以下の違いに注意する必要があります。
- 人に区別があるか(AさんとBさんは違う人)
- チームに区別があるか(チーム1とチーム2は別物か)
本記事では、人は区別があり(異なる)、チームには「区別がある」場合と「区別がない」場合の両方を扱います。
区別のある人を、区別のないチームに分ける
この場合、問題は集合分割(分割数、分割の数え上げ)になります。チームの順序は考慮せず、どのように分けても同じチーム構成なら同一と見なします。
人数 \(n\)、チーム数 \(k\) に対して、すべてのチームが空でないように分ける方法の数は、スターリング数(第二種) \(S(n,k)\) を用いて表されます。
\[ S(n, k) = \text{区別のある } n \text{ 人を、ちょうど } k \text{ 個の非空な集合に分ける方法の数} \]
この値は以下の漸化式で計算できます:
\[ S(n, k) = k \cdot S(n-1, k) + S(n-1, k-1) \]初期値は以下の通りです:
- \(S(n,1) = 1\)
- \(S(n,n) = 1\)
- \(S(n,k) = 0 \quad (k > n)\)
区別のある人を、区別のあるチームに分ける
この場合は、チームの順序も意味を持ちます。例えば、チームAとチームBに分けたとして、チームAにAさんとBさん、チームBにCさんとDさんが入るのと、その逆は異なる分け方です。
このような分け方の総数は、次のように計算されます:
\[ k! \cdot S(n, k) \]ここで、\(S(n,k)\) は先ほどのスターリング数、\(k!\) はチームの並べ方(順序)の数です。
例題:5人を3チームに分ける方法
区別のないチームの場合
5人(A, B, C, D, E)を3つの区別のないチームに分ける方法の数は、スターリング数 \(S(5,3)\) を調べます。
値は:
区別のあるチームの場合
チームにラベルがある(チーム1, チーム2, チーム3など)ならば、順序を考慮するので:
\[ 3! \cdot S(5,3) = 6 \cdot 25 = 150 \]よって、全部で150通りの分け方があります。
応用:人数に制限のあるチーム分け
例えば「5人を3チームに分けるが、各チームに最低1人ずつ入れたい」という制約がある場合、スターリング数を使って問題を解くことができますが、人数制限がより厳しい場合(例:チームごとの人数を指定)にはさらに工夫が必要です。
例題:5人を2人・2人・1人に分ける(順序あり)
まず分け方の組み合わせを数えます:
- 5人から2人を選ぶ:\(\binom{5}{2}\)
- 残り3人からさらに2人を選ぶ:\(\binom{3}{2}\)
- 最後の1人は自動的に決まる:\(\binom{1}{1} = 1\)
計算すると:
\[ \binom{5}{2} \cdot \binom{3}{2} = 10 \cdot 3 = 30 \]チームの順序がある場合(3つのグループにラベルがある)、この30通りに対して、チームの並べ方3! = 6通りを掛けます:
\[ 30 \cdot 6 = 180 \]よって、180通りの分け方があります。
まとめ
- 区別のある人を、ちょうど \(k\) チームに分ける場合、チームに区別があるかどうかで数え方が異なる。
- チームに区別がない場合、スターリング数(第二種) \(S(n,k)\) を使う。
- チームに区別がある場合、\(k! \cdot S(n,k)\) で求める。
- 具体的な人数制限がある場合は、組合せの積で計算することが多い。
このような問題は、大学入試の応用問題でもよく出題されます。パターンをしっかり理解し、例題で慣れておくことが重要です。