【高校数学】円順列の応用を徹底解説!例題でしっかり理解しよう

【高校数学】円順列の応用を徹底解説!例題でしっかり理解しよう

円順列は、順列の中でも特に「並べ方」に特徴がある重要なトピックです。このページでは、円順列の基本から、応用問題までを詳しく解説し、理解を深めていきます。高校数学でよく出題される内容なので、例題を通じてしっかりマスターしましょう。

目次

円順列の基本

「順列」とは、ものを並べる方法の総数を数える考え方ですが、「円順列」では並べる対象が円形に並ぶ点が特徴です。

例えば、円卓に人を座らせる場合、開始位置に決まりがないため、同じ人の並びでも回転させたものは同じとみなされます。

人数が \( n \) 人のとき、円順列の総数は次の式で求められます。

\[ (n – 1)! \]

この式は、「始点が固定されない」ため、線形順列よりも1つ少ない階乗になることに由来します。

線形順列との違い

線形順列では、並びの開始位置が重要であり、全ての並びが異なると見なされます。一方、円順列では「回転して同じになる並び」は区別しません。

例えば、A, B, C を一直線に並べると、順列は \( 3! = 6 \) 通りありますが、円形に並べると次のような並びは同一とみなされます。

  • A – B – C
  • B – C – A
  • C – A – B

このため、円順列の数は

\[ \frac{3!}{3} = 2 \]

になります。

基本的な例題

例題:5人を円卓に座らせるときの並べ方は何通りか?

解説:円順列では、基準となる人を1人固定し、残りの人を並べるため、

\[ (5 – 1)! = 4! = 24 \]

答え:24通り

応用例題1:区別しない並び方

例題:4人が円卓に座ります。ただし、全員が同じ服を着ており、誰が誰かは区別できません。並べ方は何通りあるか?

解説:区別がつかないため、どんな順番でも同じとみなされ、並べ方は1通りのみです。

答え:1通り

応用例題2:特定の人が隣り合わない

例題:6人を円形に並べるとき、AさんとBさんが隣り合わないように並べる方法は何通りあるか?

解説: まず、6人を何も制約なく並べる円順列の数は、 \[ (6 – 1)! = 120 \] 次に、AさんとBさんが必ず隣り合うように並べる方法を考え、それを引きます。 AさんとBさんを1つの「ペア」として考えると、5人(4人+1ペア)を円形に並べることになり、 \[ (5 – 1)! = 24 \] また、AさんとBさんの位置関係は2通り(A-B, B-A)あるため、 \[ 24 \times 2 = 48 \] したがって、隣り合わないようにする並べ方は、 \[ 120 – 48 = 72 \]

答え:72通り

応用例題3:色の制約がある場合

例題:赤・青・緑・黄の帽子をそれぞれ1人ずつがかぶり、円形に並ぶ。赤と青の帽子の人が隣り合わないように並べる方法は何通りか?

解説:まず、4人の円順列の総数は

\[ (4 – 1)! = 6 \] 次に、赤と青が隣り合う並びを数えます。 赤と青を1つのペアと考えると、3人(2人+1ペア)を並べるので、 \[ (3 – 1)! = 2 \] 赤青の順と青赤の順があるため、 \[ 2 \times 2 = 4 \] よって、隣り合わない並びは \[ 6 – 4 = 2 \]

答え:2通り

まとめ

  • 円順列は「回転によって同じとみなす並び方」で、基本公式は \((n – 1)!\)
  • 線形順列と違って、開始位置に自由度があるため、重複を避ける必要がある
  • 特定の人が隣り合わない、あるいは同じ服・色などの条件がある場合は、全体から条件に当てはまる並びを除く手法を使う

応用問題をしっかり解くことで、円順列の本質が理解できます。様々なパターンの問題に慣れておくと、試験でも応用が効きやすくなります。

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