奢侈品と所得弾力性をマスター!経済学の応用を例題で徹底解説
目次
所得弾力性とは?
所得弾力性とは、消費者の所得が変化したときに、ある財の需要がどの程度変化するかを示す指標です。数式で表すと以下の通りです:
\[ \text{所得弾力性} = \frac{\%\text{需要の変化率}}{\%\text{所得の変化率}} \]たとえば、ある商品の需要が10%増えたとき、消費者の所得が5%増えていたなら、その商品の所得弾力性は
\[ \frac{10\%}{5\%} = 2 \]ということになります。これは、所得が増えるとその2倍の割合で需要が増える商品であることを意味します。
奢侈品とは?
「奢侈品(しゃしひん)」とは、生活必需品とは異なり、なくても生活には困らないが、豊かさや贅沢を感じさせる商品のことです。たとえば、高級時計、ブランドバッグ、高級車などがこれにあたります。
奢侈品の特徴は、所得が増えるほど需要が大きく増える点にあります。つまり、所得弾力性が1より大きいものが奢侈品とされます。
奢侈品と所得弾力性の関係
所得弾力性の値によって、商品を以下のように分類できます:
- 弾力性 > 1: 奢侈品(例:高級外食、宝石)
- 弾力性 ≈ 1: 中立的な財(例:日常的な娯楽)
- 0 < 弾力性 < 1: 必需品(例:米、パン)
- 弾力性 < 0: 劣等財(例:インスタント食品など、所得が増えると消費が減る財)
この分類を使うと、商品の性質を経済的に理解できるようになります。
具体例で理解しよう
例1:ブランドバッグ
ある調査によると、所得が10%増えたときにブランドバッグの需要は15%増加しました。
\[ \frac{15\%}{10\%} = 1.5 \]この場合、所得弾力性が1.5なので、ブランドバッグは「奢侈品」と分類されます。
例2:白米
所得が20%増加したときに白米の消費量が2%しか増えなかった場合:
\[ \frac{2\%}{20\%} = 0.1 \]所得弾力性は0.1なので、白米は「必需品」と考えられます。
例3:カップ麺
所得が10%増加したとき、カップ麺の消費が5%減少した場合:
所得弾力性は負の値なので、これは「劣等財」と言えます。
応用問題にチャレンジ
問題1
所得が8%増えたときに、ある商品の需要が4%増えた。この商品の所得弾力性を求めよ。また、この商品はどのように分類されるか答えよ。
解答
\[ \frac{4\%}{8\%} = 0.5 \]所得弾力性は0.5なので、この商品は「必需品」と分類されます。
問題2
ある商品の所得弾力性が1.8だった。この商品の需要が9%増加したとすると、所得は何%増加したことになるか?
解答
\[ \text{所得の変化率} = \frac{9\%}{1.8} = 5\% \]所得は5%増加したと考えられます。
問題3
所得弾力性が -0.3 の財を購入する人が増えた。この財はどのような性質を持つと考えられるか?
解答
所得弾力性が負であるため、「劣等財」であると判断できます。所得が上がると、消費量が減る傾向にあります。
まとめ
- 所得弾力性は、所得の変化に対する需要の変化を示す指標。
- 奢侈品は所得弾力性が1を超える財。
- 必需品は所得弾力性が0~1の間、劣等財はマイナスの弾力性を持つ。
- この知識は、経済学的な視点で商品やサービスを分類するための基本。
所得弾力性を理解すれば、経済の動きをより深く知ることができます。身近な商品にも当てはめて考えてみましょう!