【徹底解説】判別式で2次方程式の解が一目でわかる!
2次方程式の「解の個数」や「実数解かどうか」を調べるのに非常に便利なのが「判別式」です。このページでは、判別式の意味、使い方、そして実践的な例題を通して、基礎から応用まで丁寧に解説します。
目次
判別式とは?
2次方程式の一般形は以下の通りです。
\\[ ax^2 + bx + c = 0 \\]
このとき、判別式(discriminant)は次のように定義されます。
\\[ D = b^2 – 4ac \\]
この式の値によって、方程式の解の性質を判断することができます。だから「判別式」と呼ばれています。
判別式と解の関係
判別式の値に応じて、方程式の解の個数や種類が変わります。
- \\( D > 0 \\):実数解が2つ(異なる2つの解)
- \\( D = 0 \\):実数解が1つ(重解)
- \\( D < 0 \\):実数解なし(虚数解が2つ)
これにより、グラフの形もイメージしやすくなります。
- \\( D > 0 \\):放物線がx軸と2点で交わる
- \\( D = 0 \\):放物線がx軸とちょうど1点で接する
- \\( D < 0 \\):放物線がx軸と交わらない
例題で理解を深めよう
例題1:解の個数を判定
次の2次方程式の解の個数を判別式を使って調べましょう。
\\[ x^2 – 4x + 3 = 0 \\]
係数:\\( a = 1, b = -4, c = 3 \\)
判別式:
\\[ D = (-4)^2 – 4 \cdot 1 \cdot 3 = 16 – 12 = 4 \\]
\\( D > 0 \\)なので、異なる実数解が2つあります。
例題2:重解になる場合
\\[ x^2 + 6x + 9 = 0 \\]
係数:\\( a = 1, b = 6, c = 9 \\)
\\[ D = 6^2 – 4 \cdot 1 \cdot 9 = 36 – 36 = 0 \\]
\\( D = 0 \\)なので、重解(1つの解)があります。
例題3:虚数解になる場合
\\[ x^2 + 2x + 5 = 0 \\]
係数:\\( a = 1, b = 2, c = 5 \\)
\\[ D = 2^2 – 4 \cdot 1 \cdot 5 = 4 – 20 = -16 \\]
\\( D < 0 \\)なので、実数解はなく、虚数解が2つあります。
よくあるミスとその対処法
- 符号のミス: 特に \\( b^2 \\) の部分で符号を間違えることがあります。\\( b \\) が負でも、\\( b^2 \\) は必ず正です。
- 係数の読み間違い: 式を整理してから \\( a, b, c \\) を正確に読み取りましょう。
- 平方根の扱い: 判別式が正でも、実際に解を出すときに平方根の計算でミスすることがあります。
まとめ
判別式は、2次方程式の解の「個数」や「種類」を一目で判断できる非常に便利なツールです。
- \\( D > 0 \\):異なる2つの実数解
- \\( D = 0 \\):重解(実数解1つ)
- \\( D < 0 \\):虚数解(実数解なし)
判別式を使いこなすことで、計算問題やグラフの読み取りがぐっと楽になります。まずは基本的な式の形に慣れ、例題で感覚をつかんでいきましょう。