【高校数学】恒等式と方程式の違いとは?意味や例題を徹底解説!
目次
恒等式とは?意味をわかりやすく解説
恒等式(こうとうしき)とは、「すべての変数の値に対して常に成り立つ等式」のことです。
例えば、次のような式があります:
\( (a + b)^2 = a^2 + 2ab + b^2 \)
この式は、変数 \( a \) と \( b \) の値が何であっても常に成り立ちます。したがって、このような式は恒等式と呼ばれます。
数学における恒等式は、公式として用いられることが多く、計算の簡略化や変形に役立ちます。
方程式との違い
恒等式と方程式は見た目が似ているため、混同されやすいですが、意味はまったく異なります。
- 恒等式: 変数の値に関係なく、常に成り立つ等式。
- 方程式: 特定の値のときだけ成り立つ等式。
例えば、次の方程式を考えてみましょう。
\( x + 3 = 7 \)
この式は、\( x = 4 \) のときにだけ成り立ちます。それ以外の \( x \) では成立しません。これが「方程式」です。解くことで、変数の値を求めることが目的になります。
恒等式と方程式の例題で理解を深めよう
例題1:恒等式の確認
次の式が恒等式かどうかを判断しなさい。
\( (x – 1)^2 = x^2 – 2x + 1 \)
この式の右辺を展開すると:
\( x^2 – 2x + 1 \)
左辺の式と同じになるため、恒等式です。どんな \( x \) に対してもこの等式は成立します。
例題2:方程式の例
次の式は恒等式か方程式かを判断し、解を求めなさい。
\( 2x – 5 = 9 \)
両辺に5を足して、
\( 2x = 14 \)
両辺を2で割って、
\( x = 7 \)
この式は 特定の \( x = 7 \) のときにのみ成立するため、方程式です。
例題3:恒等式の利用(因数分解)
次の式を展開しなさい。
\( (x + 2)(x + 3) \)
展開すると:
\( x^2 + 3x + 2x + 6 = x^2 + 5x + 6 \)
これは、恒等式として利用される展開公式の応用です。すべての \( x \) に対して成り立ちます。
恒等式の活用場面
恒等式は、以下のような場面で重要な役割を果たします。
- 計算の簡略化: 公式として用いることで、複雑な式の展開や因数分解が楽になる。
- 関数の変形: グラフの形を読み取りやすくするために式を変形する際に活用。
- 微分・積分: 数Ⅲなどで恒等式を使って式を整えることで、解法を導きやすくする。
まとめ
恒等式と方程式の違いを理解することは、数学の基礎を固めるうえで非常に重要です。以下に要点をまとめます。
- 恒等式:変数の値にかかわらず常に成立する等式(例:公式)
- 方程式:ある特定の変数の値においてのみ成立する等式(例:未知数を求める問題)
- 恒等式は式の変形や公式の利用など、様々な場面で役に立つ
数学においては、式をただ計算するだけでなく、その意味を理解することが大切です。恒等式と方程式の違いをしっかり区別し、問題に応じて適切に活用できる力を身につけましょう。