【高校数学】わかりやすい!二重根号の外し方とそのパターン完全解説
この記事では、二重根号の外し方について、パターン別に徹底的に解説します。高校数学の範囲でよく出る問題を中心に、具体例を多く取り上げながら説明します。
目次
二重根号とは?
「二重根号」とは、根号(√)の中にさらに根号がある形の式を指します。たとえば次のような形です:
\[ \sqrt{2 + \sqrt{3}}, \quad \sqrt{5 – \sqrt{2}}, \quad \sqrt{3 + 2\sqrt{2}} \]
このような式を簡単な形に変形する操作を「二重根号を外す」と言います。
基本的な外し方のパターン
次のような形は典型的な外せるパターンです:
\[ \sqrt{a + 2\sqrt{b}} = \sqrt{x} + \sqrt{y} \]
ここで、次の条件を満たす \( x, y \) を探します:
- \( x + y = a \)
- \( 2\sqrt{xy} = 2\sqrt{b} \) → \( xy = b \)
この2つの条件を満たす \( x \), \( y \) を見つければ、二重根号が外せます。
一般的なやり方と考え方
ステップとしては以下の通りです:
- 与えられた式を \( \sqrt{x} + \sqrt{y} \) の形に変形できると仮定する
- 両辺を2乗して等式を作る:
\[ \left( \sqrt{x} + \sqrt{y} \right)^2 = x + y + 2\sqrt{xy} \]
この展開と元の式とを比較して、\( x + y \) と \( xy \) を条件式として求めます。
具体例とその解き方
例題1:
\[ \sqrt{3 + 2\sqrt{2}} を外す \]
仮に \( \sqrt{x} + \sqrt{y} \) の形とする:
すると、
- \( x + y = 3 \)
- \( xy = 2 \)
この2次方程式を立てます:
\[ t^2 – 3t + 2 = 0 \Rightarrow t = 1, 2 \]
したがって、
\[ \sqrt{3 + 2\sqrt{2}} = \sqrt{1} + \sqrt{2} = 1 + \sqrt{2} \]
例題2:
\[ \sqrt{10 + 6\sqrt{2}} を外す \]
- \( x + y = 10 \)
- \( xy = 18 \)(なぜなら \( 2\sqrt{xy} = 6\sqrt{2} \) → \( xy = 18 \))
\[ t^2 – 10t + 18 = 0 \Rightarrow t = 9, 1 \]
よって、
\[ \sqrt{10 + 6\sqrt{2}} = \sqrt{9} + \sqrt{1} = 3 + 1 = 4 \]
例題3(やや難しめ):
\[ \sqrt{5 – 2\sqrt{6}} \]
この場合も同様に考えます。
- \( x + y = 5 \)
- \( xy = 6 \)
\[ t^2 – 5t + 6 = 0 \Rightarrow t = 2, 3 \]
ただし、この場合はマイナスの符号があるので注意:
\[ \sqrt{5 – 2\sqrt{6}} = \left| \sqrt{3} – \sqrt{2} \right| \]
通常は正の値として \( \sqrt{3} – \sqrt{2} \) とします。
計算のコツと注意点
- ルートの中の係数(たとえば \( 2\sqrt{b} \) の「2」)に注目しよう
- 符号に注意。マイナスの場合は引き算の形で表現できるか検討する
- 一見外せそうにない形でも変形すれば外せることがある
- 式変形に慣れておくと応用力が上がる
まとめ
二重根号の外し方には基本パターンがあり、以下の2つの条件に注目するのが重要です:
- \( x + y = a \)
- \( xy = b \)
この2つを満たす \( x \), \( y \) を見つけて、
\[ \sqrt{a + 2\sqrt{b}} = \sqrt{x} + \sqrt{y} \]
の形に変形するのがポイントです。難しそうに見えても、パターンに慣れれば必ず解けるようになります!