同次式(斉次式)の解説【初心者向け】

同次式(斉次式)の解説【初心者向け】

同次式(斉次式)の解説

1. 定義と例

同次式(斉次式)とは、複数の変数を含む多項式で、すべての項の次数が同じであるものを指します。ここで、項の次数とは、その項に含まれる変数の指数の合計を意味します。

例:同次式

  • \( x^2 + 5xy + 2y^2 \):2変数の2次式
  • \( x^2 + 2y^2 + z^2 + 3xy – 5xz \):3変数の2次式
  • \( x^4 + 3z^4 – 3x^2y^2 + 2yz^3 – xy^2z – xyz^2 \):3変数の4次式
  • \( xy \):2変数の2次式(単項式)

例:同次式でないもの

  • \( x^2 – 2y \):項の次数が異なる(2次と1次)
  • \( x^3 – 3y^2 + 2x \):項の次数が異なる(3次、2次、1次)
  • \( x^2 + 2xy + y^2 + 1 \):定数項(0次)が含まれている

2. 一般的な形

一般に、\( m \)個の変数を用いた\( n \)次の同次式は、以下の形で表されます:

\[ \sum_{n_1 + n_2 + \dots + n_m = n} a_{n_1,n_2,\dots,n_m} x_1^{n_1} x_2^{n_2} \dots x_m^{n_m} \]

ここで、\( a_{n_1,n_2,\dots,n_m} \)は係数で、少なくとも一つは0でない必要があります。すべての係数が0でない場合、項の数は次の式で求められます:

\[ \binom{n + m – 1}{m – 1} = \frac{(n + m – 1)!}{n!(m – 1)!} \]

3. 性質

スケーリングの性質

\( m \)変数の多項式 \( f(x_1, x_2, \dots, x_m) \) が\( n \)次の同次式であるための必要十分条件は、任意の定数 \( \lambda \) に対して以下の関係が成り立つことです:

\[ f(\lambda x_1, \lambda x_2, \dots, \lambda x_m) = \lambda^n f(x_1, x_2, \dots, x_m) \]

演算に関する性質

  • 同次式同士の和や差、定数倍は同次式となります(0を含む)。
  • 同次式同士の積は、次数が加算された同次式となります。
  • 同次式が因数分解可能であれば、その因数も同次式となります。

4. 具体例

2変数の同次式

  • 1次:\( ax + by \)
  • 2次:\( ax^2 + bxy + cy^2 \)
  • 3次:\( ax^3 + bx^2y + cxy^2 + dy^3 \)

3変数の同次式

  • 1次:\( ax + by + cz \)
  • 2次:\( ax^2 + by^2 + cz^2 + dxy + eyz + fzx \)
  • 3次:\( ax^3 + by^3 + cz^3 + dx^2y + exy^2 + fy^2z + gyz^2 + hx^2z + ixz^2 + jxyz \)

5. 関連事項

二次形式とは、2次の同次式のことを指します。これらは行列を用いて表現されることが多く、線形代数や解析学で重要な役割を果たします。

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