高校生向け|倍数の判定法と応用問題を徹底解説【数学】
倍数の判定法 基本編
倍数とは、ある整数 \(a\) が別の整数 \(b\) で割り切れる(余りなく割り切れる)場合、\(a\) は \(b\) の倍数であると言います。数学的には、整数 \(k\) を使って次のように表せます。
\[ a = k \times b, \quad k \in \mathbb{Z} \] 例えば、\(12\) は \(3\) の倍数です。なぜならば \(12 = 4 \times 3\) だからです。倍数判定法とは、与えられた数字がある特定の数の倍数かどうかを見極めるための簡単なルールや計算法のことです。高校数学でもよく使われ、計算の効率化や問題の早期解決に役立ちます。
代表的な倍数判定のルール
- 2の倍数:最後の1桁が偶数(0, 2, 4, 6, 8)ならば2の倍数。
- 3の倍数:各桁の数字の和が3の倍数ならば3の倍数。
- 4の倍数:下2桁の数字が4の倍数ならば4の倍数。
- 5の倍数:最後の1桁が0または5ならば5の倍数。
- 6の倍数:2の倍数かつ3の倍数ならば6の倍数。
- 9の倍数:各桁の数字の和が9の倍数ならば9の倍数。
- 10の倍数:最後の1桁が0ならば10の倍数。
倍数の判定法 例題と解説
例題1:数字 1236 は 3 の倍数か?
1236 の各桁の和を計算します。
例題2:数字 5720 は 4 の倍数か?
下2桁の数字「20」が4の倍数かを調べます。20 は \(4 \times 5 = 20\) なので4の倍数です。したがって、5720 は4の倍数です。
例題3:数字 891 は 9 の倍数か?
各桁の和を計算します。
\[ 8 + 9 + 1 = 18 \] 18 は 9 の倍数なので、891 は9の倍数です。倍数の判定法 応用問題
倍数の判定法を使って、より複雑な問題を考えてみましょう。
応用例題1:4桁の数字 \(\overline{abcd}\) が 2 と 3 の両方の倍数であるとき、どのような条件が必要か?
2の倍数であるためには、最後の1桁 \(d\) が偶数でなければなりません。
3の倍数であるためには、各桁の和が3の倍数でなければなりません。
\[ a + b + c + d \equiv 0 \pmod{3} \] つまり、条件は- \(d\) は偶数
- \(a + b + c + d\) が3の倍数
この2つの条件を満たせば、その数字は6の倍数にもなります。
応用例題2:数字 \(\overline{xyz}\) が 9 の倍数かつ 4 の倍数である場合、どのように判定できるか?
9の倍数の条件は桁の和が9の倍数です。
\[ x + y + z \equiv 0 \pmod{9} \]4の倍数の条件は、下2桁 \(\overline{yz}\) が4の倍数であることです。
この2条件を満たせば、その数字は36の倍数でもあります(9 と 4 は互いに素なため、最小公倍数は36)。
倍数判定を使った練習問題
- 数字 3546 は 6 の倍数か判定しなさい。
- 数字 7420 は 5 の倍数かつ 4 の倍数か?
- 数字 819 は 9 の倍数か確認しなさい。
- 4桁の数字 \(\overline{abcd}\) が 3 の倍数かつ 2 の倍数となるための条件を述べよ。
- 数字 1008 が 4 と 9 の倍数であることを確認し、最小公倍数の倍数かどうか説明しなさい。
これらの問題を解くことで、倍数判定法を使いこなせるようになります。自分で数値を選んで試してみるのもおすすめです。