【高校生向け経済入門】機会費用とは?意味と具体例を徹底解説!
目次
機会費用とは?
機会費用(英:Opportunity Cost)とは、ある選択をしたときに放棄される「次善の選択肢」から得られたはずの価値のことです。つまり、「何かを選ぶことで、他に得られたかもしれない利益を失う」という考え方です。
経済学では「限られた資源をどう配分するか」が重要なテーマです。機会費用の概念は、この資源配分を考えるうえで欠かせません。
なぜ機会費用が重要なのか?
機会費用を考えることで、私たちはより合理的な選択ができるようになります。お金だけでなく、時間、労力、空間など、あらゆる「有限な資源」を使う際には、必ず何かを諦めています。
この「諦めたもの」の価値を理解することが、より賢い選択・意思決定につながります。
日常生活の具体例
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高校生がアルバイト vs. 勉強
夏休みに週5日アルバイトをすると、5万円稼げるとします。しかし、その間に勉強していれば、模試の点数が上がって志望校に合格できたかもしれません。
このときの機会費用は「上がったはずの学力と志望校合格の可能性」です。 -
映画を見る vs. 読書
2時間映画を観ると楽しいですが、その2時間を読書に使っていたら新しい知識を得られたかもしれません。
このときの機会費用は「読書で得られた知識や感動」です。 -
ランチに1,000円使う vs. お弁当持参
外食を選ぶことで快適な時間を得られますが、家から弁当を持っていけば700円節約できます。
機会費用は「節約できた700円」です。
経済における具体例
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政府の予算配分
政府がインフラ整備に1兆円使うと、教育や医療への投資はできなくなります。
このときの機会費用は「教育や医療に投資した場合に得られた利益」です。 -
企業の投資判断
ある企業が新製品の開発に資金を投じた場合、その資金を他の事業に使っていたらもっと大きな利益が出たかもしれません。
機会費用は「他の投資で得られたかもしれない利益」です。 -
土地の使い道
駅前の土地にマンションを建てれば家賃収入が得られますが、駐車場にしていたら別の安定収入が得られていたかもしれません。
機会費用は「駐車場として得られた収益」です。
数式で見る機会費用
機会費用を簡単な数式で表すと、次のようになります。
\[ \text{機会費用} = \text{選ばなかった選択肢の最大利益} \]
例えば、選択肢Aで利益が10万円、選択肢Bで利益が12万円だった場合、Bを選んだときのAの機会費用は10万円、Aを選んだときの機会費用は12万円です。
より正確にモデル化すると、次のように「比較する2つの選択肢の差」として表現できます。
\[ \text{機会費用} = \max_{i \in \{\text{選択肢}\}} 利得_i – \text{実際に選んだ利得} \]
まとめ
機会費用は「見えないコスト」とも呼ばれます。私たちは毎日、無意識にさまざまな選択をしていますが、その選択の裏には必ず何かを諦めるというコストが発生しています。
高校生の皆さんにとっても、「進路選択」「時間の使い方」「お金の使い道」など、日常的に機会費用を考える場面はたくさんあります。
機会費用を意識することは、限られた資源を最大限に活かす第一歩です。
経済学は「選択の科学」です。これからの学びや人生において、機会費用の考え方をぜひ活用していってください。