行列の基本変形について徹底解説

行列の基本変形について徹底解説

行列Aと行列Bが次のように与えられたとします:

行列A = \[ \begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 3 & 4 \end{pmatrix} \]

行列B = \[ \begin{pmatrix} 5 & 6 \\ 7 & 8 \end{pmatrix} \]

このとき、A + Bは以下のように計算されます:

A + B = \[ \begin{pmatrix} 1+5 & 2+6 \\ 3+7 & 4+8 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 6 & 8 \\ 10 & 12 \end{pmatrix} \]

加減法は、行列が同じ次元である場合にのみ適用できます。

行列の交換法則

行列の加法については交換法則が成り立ちます。つまり、行列Aと行列Bについて、次のように計算できます:

A + B = B + A

ただし、行列の乗法については交換法則は成り立ちません。例えば、行列Aと行列Bの積ABとBAは通常異なります。

行列の逆行列

逆行列とは、行列Aに対して、Aの逆行列を掛けると単位行列Iになるような行列です。すなわち、Aとその逆行列A⁻¹に対して、次の式が成り立ちます:

A \cdot A^{-1} = A^{-1} \cdot A = I

逆行列を求めるには、行列が正則行列であることが必要です。正則行列とは、行列式が0でない行列です。例えば、2x2の行列Aの逆行列は次のように計算できます:

行列A = \[ \begin{pmatrix} a & b \\ c & d \end{pmatrix} \]

行列Aの逆行列A⁻¹は次のように求められます:

A^{-1} = \frac{1}{ad - bc} \begin{pmatrix} d & -b \\ -c & a \end{pmatrix}

ここで、ad - bcが0でないことが必要です。

行列の階数

行列の階数は、行列に含まれる線形独立な行または列の最大数を示します。行列の階数を求める方法としては、行列の基本変形を用いて行列を簡略化し、非ゼロ行の数を数える方法があります。

例えば、次の行列Aの階数を求める場合を考えます:

行列A = \[ \begin{pmatrix} 1 & 2 & 3 \\ 0 & 4 & 5 \\ 0 & 0 & 6 \end{pmatrix} \]

この行列はすでに上三角行列になっているため、階数は非ゼロ行の数である3です。

以上の基本変形を使いこなすことで、行列に関する様々な計算を簡単に行うことができるようになります。

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