素元と既約元について徹底解説!倍元・約元・同伴を詳しく学ぼう

素元と既約元について徹底解説!倍元・約元・同伴を詳しく学ぼう

目次


1. 素元とは

素元(prime element)は、代数的構造の中で、素因数分解における「素数」に似た性質を持つ元です。具体的には、ある元が素元であるための条件として以下の特徴があります。

  • 元がゼロでないとき、その元を他の元の積として表現できない。
  • もしある元が素元であれば、それは必ず「倍元」や「約元」に関連します。

例えば、整数環では素元は通常の素数と一致します。数論における素数と同様に、素元は因数分解において重要な役割を果たします。

例1: 整数環における素元

整数環において、3や5などの素数は素元に相当します。例えば、5は1と5以外の因数を持たないため、素元と呼べます。


2. 既約元とは

既約元(irreducible element)は、素元とは少し異なる概念です。既約元は、他の元との積として表せない元ですが、必ずしも素元であるとは限りません。

具体的には、ある元が既約元であるための条件として以下があります。

  • その元をゼロでない元の積として分解できない。
  • その元が既約元であれば、積の要素としてはそれ以上分解できませんが、別の元との積として表現できることがあります。

整数環では、4や9のように合成数が既約元である例があります。これらの数は素数ではありませんが、他の整数の積としては表せません。

例2: 合成数の既約元

例えば、4は素数ではありませんが、2 × 2 という形で積として表せます。したがって、4は素元ではないが、合成元です。


3. 倍元と約元の違い

倍元(multiple element)と約元(unit element)は、どちらも代数的な構造でよく使われる概念ですが、異なる意味を持ちます。

倍元(multiple element)

倍元は、ある元を他の元で何度も掛け合わせたものです。例えば、ある元が倍元である場合、その元はゼロ以外の他の元との積として表現できます。

約元(unit element)

約元は、乗法において逆元を持つ元です。すなわち、ある元が約元であれば、逆元との積は単位元(通常1)になります。例えば、整数環における1や-1は約元です。

倍元と約元の例

  • 4は倍元(2 × 2として表せます)。
  • 1は約元(1 × 1 = 1)。

4. 同伴について

同伴(companion)とは、代数的な構造において、特定の元が他の元と何らかの形で「ペアを成す」ことを意味します。これには、共通の特性を持つ元同士が協力して働く場合などが含まれます。

例えば、代数方程式を解くときに、解が複素数のペアである場合があります。この場合、解が同伴であると言えます。

例3: 同伴としての複素数

複素数の解が同伴である例として、方程式 \(x^2 + 1 = 0\) の解である \(i\) と \(-i\) が挙げられます。これらは同伴の関係にあります。


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