C++ エラー C2061: 構文エラー 識別子
C2061とは?
C2061 は、Microsoft Visual Studio の C++ コンパイラが発するエラーで、「構文エラー: 識別子」と表示されます。 これは、識別子(関数名、変数名、型名など)の使い方に誤りがある場合に発生します。
主な原因
C2061 はさまざまな理由で発生しますが、主に以下の原因が考えられます。
- 識別子(変数・関数・クラスなど)の宣言ミス
- 関数の宣言や定義の間違い
- クラスの前方宣言ミス
- テンプレートの誤用
- その他の構文エラー
識別子の宣言ミス
変数や関数の宣言が間違っていると C2061 エラーが発生します。
例1: 変数の型が抜けている
int main() {
x = 10; // エラー: x が宣言されていない
return 0;
}
修正:
int main() {
int x = 10; // 型を指定する
return 0;
}
例2: クラスのメンバー関数の宣言ミス
class Sample {
void func();
};
void Sample::func(int x) { // エラー: 引数の型が違う
}
修正:
class Sample {
void func(int x);
};
void Sample::func(int x) {
}
関数宣言の間違い
関数の宣言や定義が間違っている場合も C2061 が発生します。
例3: セミコロンの忘れ
void func() { // エラー: 関数の前にセミコロンが必要
return 0;
}
修正:
void func(); // 宣言
void func() { // 定義
}
クラスの前方宣言ミス
クラスを前方宣言するときにミスがあると C2061 になります。
例4: クラスの前方宣言を忘れる
class A; // これがないとエラー
class B {
A obj; // エラー: A の定義が見つからない
};
修正:
class A; // 前方宣言
class B {
A* obj; // ポインタなら OK
};
テンプレートの誤用
テンプレートの使い方を間違えると C2061 が発生することがあります。
例5: クラスのテンプレートを正しく使用しない
template<typename T>
class MyClass {
T value;
};
MyClass obj; // エラー: 型パラメータが必要
修正:
MyClass<int> obj; // 型を指定する
その他の原因
- ヘッダーファイルのインクルード漏れ
- マクロの誤用
- 予約語の誤使用
まとめ
C2061(構文エラー: 識別子)は、識別子の宣言や定義の間違いが原因で発生します。 よくあるミスを確認し、正しい構文を心がけましょう。