ベルヌーイ分布
Rでのベルヌーイ分布関連の関数
Rでベルヌーイ分布に従う乱数の発生や、確率関数や分布関数を計算したいときには以下の関数を使用できます。
コード | 意味 |
rbinom(n,size=1,prob=p) | 成功確率\(p\)のベルヌーイ分布に従う乱数をn個発生する。 |
pbinom(x,size=1,prob) | 成功確率\(p\)のベルヌーイ分布の分布関数の\(x\)での値を返す。 |
dbinom(x,size=1,prob) | 成功確率\(p\)のベルヌーイ分布の確率関数の\(x\)での値を返す。 |
qbinom(x,size=1,prob) | 成功確率\(p\)のベルヌーイ分布の分位点関数の\(x\)での値を返す。 |
ベルヌーイ分布の確率(質量)関数
ベルヌーイ関数の確率関数は以下のようにあらわせます。
\[p(x)=p^x (1-p)^(1-x)\]
ベルヌーイ分布の分布関数
ベルヌーイ分布の分布関数は以下のようにあらわせます。
\[F(x)=\left\{\begin{array}{cc} 0,&x \lt 0\\ 1-p,&0 \leq x \lt 1\\ 1,&1\leq x \end{array}\right.\]
ベルヌーイ分布の特徴量
ベルヌーイ分布の期待値や中央値や分散などは以下のようにあらわせます。
母数 | \( n\geq 0~\)試行回数 \( 0\leq p\leq 1~\)成功確率 |
台 | \(\{0,\ldots,n\}\) |
期待値 | \(p\) |
中央値 | \(\left\{\begin{array}{cc} 0,&p \lt 1/2\\ 0.5,&p=1/2\\ 1,&p\gt1/2 \end{array}\right.)\) |
最頻値 | \(\left\{\begin{array}{cc} 0,&p \lt 1/2\\ 0,1,&p=1/2\\ 1,&p\gt1/2 \end{array}\right.)\) |
分散 | \(p(1-p)\) |
歪度 | \(\frac{1-2p}{\sqrt{p(1-p)}}\) |
尖度 | \(\frac{1-6p(1-p)}{p(1-p)}\) |
モーメント母関数 | \(1-p+pe^t\) |
特性関数 | \(1-p+pe^{it}\) |
ベルヌーイ分布のモーメント母関数と特性関数の導出
ベルヌーイ分布のモーメント母関数は以下のように導出できます。
確率変数\(X\)がベルヌーイ分布に従うとき、\(0\leq p\leq 1\)に対して、\(X\)の確率関数は次で与えられる。
\begin{align}\mathrm{Pr}\{X=1\} &= p,\\ \mathrm{Pr}\{X=0\}&=1-p. \end{align}
ベルヌーイ分布に従う確率変数\(X\)の積率母関数を導出する。離散確率変数の積率母関数の定義より、\(X\)の積率母関数は
\begin{align}M_X(t) &=\mathrm{E}[e^{t X}]\\& = \sum_{i=1}^{\infty} e^{t x_i}\mathrm{Pr}\{X=x_i\}\\&=e^{t \cdot1}p+e^{t\cdot0}(1-p)\\&=1-p+pe^{t}\end{align}
である。
特性関数も同様の手順で導出できる。