平方数でないことの証明をマスター!高校数学の応用例題で徹底解説

平方数でないことの証明をマスター!高校数学の応用例題で徹底解説

平方数とは、ある整数を2乗した形で表せる数のことです。一方で、ある数が平方数「ではない」ことを示す証明は、整数問題や入試問題でも頻出のテーマです。ここでは、その基本的な考え方から、応用例題まで、丁寧に解説していきます。

目次

平方数とは何か?

平方数(または完全平方数)とは、ある整数 \( n \) に対して次の形で表される数のことです:

\[ n^2 \]

例えば、\( 1, 4, 9, 16, 25 \) などが平方数です。

逆に、平方数でない数は、整数の2乗では表せない数です。これを数学的に示すにはいくつか方法があります。

平方数でないことの基本的な証明方法

以下の方法がよく使われます:

  • 平方数の性質(奇数個の約数を持つ)を用いる
  • 素因数分解して、すべての指数が偶数でないことを確認する
  • 合同式(mod 計算)で矛盾を導く

合同式を用いた証明

合同式を用いると、ある数が平方数でないことを簡潔に示せることがあります。

例: \( n \equiv 2 \pmod{4} \) のとき、\( n \) は平方数でない。

これはなぜでしょうか?平方数 \( a^2 \) を \( \mod 4 \) で調べてみると:

  • もし \( a \equiv 0 \pmod{4} \) なら \( a^2 \equiv 0 \)
  • もし \( a \equiv 1 \pmod{4} \) なら \( a^2 \equiv 1 \)
  • もし \( a \equiv 2 \pmod{4} \) なら \( a^2 = 4 \equiv 0 \)
  • もし \( a \equiv 3 \pmod{4} \) なら \( a^2 = 9 \equiv 1 \)

したがって、平方数は \( \mod 4 \) で 0 または 1 にしかなりません。よって、2 に合同な数は平方数でないといえます。

素因数分解を使う方法

平方数は、素因数分解したときにすべての指数が偶数になります。逆に、指数に奇数があると平方数ではありません。

例: \( 18 = 2 \times 3^2 \)

指数がそれぞれ 1 と 2 です。2 の指数が奇数なので、平方数ではありません。

具体例で理解を深める

例1: \( 50 \) が平方数でないことを証明せよ。

平方根を考えると、

\[ \sqrt{49} = 7,\quad \sqrt{64} = 8,\quad \sqrt{50} \approx 7.07 \]

整数の平方根が存在しないため、平方数ではありません。

例2: \( 77 \) は平方数ではないことを合同式で証明せよ。

\( 77 \equiv 1 \pmod{4} \) なので一見すると平方数の可能性もありますが、

素因数分解すると:

\[ 77 = 7 \times 11 \]

どちらも指数が 1 なので、平方数ではありません。

例3: \( 243 \) が平方数でないことを示せ。

\[ 243 = 3^5 \]

指数 5 は奇数なので、平方数ではありません。

応用問題にチャレンジ

問題1: \( n = 3^a \cdot 5^b \cdot 7^c \) が平方数となる条件を、指数の条件として表せ。

解答:平方数であるためには、すべての指数 \( a, b, c \) が偶数でなければなりません。よって、

\[ a \equiv 0 \pmod{2}, \quad b \equiv 0 \pmod{2}, \quad c \equiv 0 \pmod{2} \]

問題2: 任意の自然数 \( n \) に対して、\( n(n+1) \) は平方数ではないことを示せ。

解答:\( n \) と \( n+1 \) は互いに連続する整数なので、互いに素です。もし \( n(n+1) \) が平方数だとすると、互いに素な2数の積が平方数になる必要があります。これは両方が平方数でなければならず、連続した2つの数がともに平方数であることはありえません(例:1と2、2と3、3と4などすべて不可)。したがって、\( n(n+1) \) は平方数ではありません。

まとめ

平方数でないことを証明するためには、さまざまな視点や方法が使えます。

  • 平方数の定義と性質を理解する
  • 素因数分解によって指数の偶奇を確認
  • 合同式を用いて矛盾を導く
  • 平方根が整数でないことを評価する

整数問題や証明問題で重要なスキルなので、さまざまな例題でトレーニングしておきましょう。

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