高校数学で完全理解!順列と組合せの違いと応用を徹底解説
目次
順列と組合せの基本的な違い
順列と組合せは、どちらも「何かを選ぶ」数学の考え方ですが、最も大きな違いは「順番を考慮するかどうか」です。
- 順列:選ぶ順番を区別する(並び方に意味がある)
- 組合せ:選ぶ順番を区別しない(誰が何番目でもよい)
たとえば、「A, B, Cの中から2人を選んで並べる」と「A, B, Cの中から2人を選ぶ」では、前者が順列、後者が組合せです。
順列(Permutation)の解説と例題
順列では、物を並べる順番を考慮します。
\(n\)個の異なるものから、\(r\)個を取り出して並べる順列の数は次の式で求められます:
例題1:
5人の中から3人を選んで、1位から3位までの順位をつける方法の数を求めよ。
解答:
\[ {}_{5}P_{3} = \frac{5!}{(5-3)!} = \frac{120}{2} = 60 \]例題2:
アルファベットA, B, C, Dの4文字を使って、3文字の異なる英単語(意味は問わない)を作る方法の数は?
解答:
\[ {}_{4}P_{3} = 4 \times 3 \times 2 = 24 \]組合せ(Combination)の解説と例題
組合せでは、選ぶ順番は考慮しません。
\(n\)個の中から、順番を考えずに\(r\)個選ぶ組合せの数は次の式です:
\[ {}_{n}C_{r} = \frac{n!}{r!(n-r)!} \]例題1:
5人の中から3人を選んで、チームを作る方法の数を求めよ。
解答:
例題2:
7種類のドリンクの中から、3種類を選んでセットにする方法の数は?
解答:
\[ {}_{7}C_{3} = \frac{7!}{3!4!} = \frac{5040}{6 \times 24} = 35 \]応用問題に挑戦
応用例題1:
10人の中から会長、副会長、書記を1人ずつ選び、役職を割り当てる方法の数は?
これは順番(役職)があるため順列:
\[ {}_{10}P_{3} = 10 \times 9 \times 8 = 720 \]応用例題2:
8人の中から3人を選んで代表チームを作る方法の数は?
これは順番が関係ないため組合せ:
\[ {}_{8}C_{3} = \frac{8!}{3!5!} = \frac{40320}{6 \times 120} = 56 \]応用例題3:
1列に並んだ6人の中から、隣り合わない3人を選ぶ方法の数を求めよ。
このような問題は制約付き組合せ。離れた位置にあるような選び方に注意し、補助変数や漸化式を使うこともあります。
高校数学では典型的には次のように考えます:
選んだ3人の間に少なくとも1人ずつ空けなければならないため、以下のような置換による方法を使います(詳細省略)。
まとめ
- 順列は順番を考慮する。式:\({}_{n}P_{r} = \frac{n!}{(n-r)!}\)
- 組合せは順番を考慮しない。式:\({}_{n}C_{r} = \frac{n!}{r!(n-r)!}\)
- 問題文に「並べる」「順番」「役職」などがあれば順列を疑う。
- 「選ぶ」「グループを作る」「チームを組む」などは組合せの可能性が高い。
順列と組合せをしっかり区別できるようになれば、確率や場合の数の問題にも強くなります。繰り返し練習して、考え方を定着させましょう。