【高校生にもわかる】消費者余剰の求め方と実践例|グラフと数式で徹底解説!
目次
1. 消費者余剰とは?
消費者余剰(しょうひしゃよじょう)とは、ある財やサービスに対して、消費者が「支払ってもよい」と思う価格(支払意思額)と、実際に支払った価格との差のことです。
経済学ではこの概念を使って、消費者がどれだけ得をしているかを測ります。市場の効率性や福祉分析にも重要です。
2. 消費者余剰の求め方(基本)
需要曲線がわかっているとき、消費者余剰は次のように計算されます。
\[ \text{消費者余剰} = \int_0^{Q^*} D(q) \, dq – P^* \cdot Q^* \] ここで:
- \(D(q)\):需要曲線(価格を数量の関数として表す)
- \(Q^*\):市場での取引量
- \(P^*\):市場価格
グラフで考えると、需要曲線と価格線に囲まれた三角形の面積が消費者余剰です。
3. 消費者余剰の計算例
例1:線形の需要曲線
需要曲線が次のように与えられているとします。 \[ P = 100 – 2Q \] このとき、市場価格が \(P^* = 40\) の場合の取引量 \(Q^*\) は: \[ 40 = 100 – 2Q^* \Rightarrow Q^* = 30 \] 消費者余剰は次の三角形の面積になります: \[ \text{消費者余剰} = \frac{1}{2} \times (100 – 40) \times 30 = \frac{1}{2} \times 60 \times 30 = 900 \]
例2:指数型の需要関数
もし需要関数が \( D(q) = 100 e^{-0.1q} \) のような非線形であっても、同様に積分を使って求めます。 \[ \text{消費者余剰} = \int_0^{Q^*} 100 e^{-0.1q} \, dq – P^* \cdot Q^* \] 積分計算には指数関数の積分公式が必要になります。
4. 応用:価格変化による余剰の変化
市場価格が変化したとき、消費者余剰も変わります。たとえば、価格が下がると消費者余剰は増加します。
\[ \Delta CS = CS_{\text{新価格}} – CS_{\text{旧価格}} \] これは政策評価や課税の影響分析にも使えます。
5. グラフで理解する消費者余剰
消費者余剰を視覚的に理解するには、グラフを使うのが最も効果的です。
- 横軸:数量(Q)
- 縦軸:価格(P)
- 需要曲線:右下がりの曲線
- 市場価格:横に引いた直線
6. よくある質問
Q1. 生産者余剰との違いは?
A. 生産者余剰は、売り手側が得られる利益で、供給曲線と価格の差に関係します。
Q2. 消費者余剰はどう役に立つ?
A. 政策の影響を定量的に評価するためのツールになります。例:補助金、課税、価格規制など。
Q3. 現実のデータでも使える?
A. はい。需要関数が推定できれば、実際の市場でも消費者余剰は計算できます。