もう1つ食べると幸せ?「限界効用逓減の法則」をわかりやすく徹底解説!

もう1つ食べると幸せ?「限界効用逓減の法則」をわかりやすく徹底解説!

目次

限界効用逓減の法則とは?

限界効用逓減の法則(げんかいこうようていげんのほうそく)とは、ある財やサービスを消費する量が増えるほど、追加で得られる満足度(限界効用)が次第に小さくなる、という経済学の基本的な法則です。

効用とは何か?

効用(こうよう)とは、消費者が商品やサービスを利用することで得られる「満足度」や「幸福感」のことをいいます。効用の大きさは人によって異なりますが、経済学では「効用」という考え方を使って、消費者の選択を理論的に説明します。

例えば、おにぎり1個を食べて「おいしい!」と感じたなら、そのとき得られた満足感が効用です。

限界効用とは?

限界効用(げんかいこうよう)とは、財やサービスを1単位追加で消費したときに得られる効用の増加分を意味します。数式で表すと以下のようになります:

\[ MU = \frac{ΔU}{ΔQ} \]

ここで、

  • \( MU \):限界効用(Marginal Utility)
  • \( ΔU \):効用の増加量
  • \( ΔQ \):消費量の増加分(通常は1)

限界効用逓減の法則の内容

限界効用逓減の法則は、次のように定式化されます:

「他の条件が一定のもとで、ある財の消費量を増やすと、その財から得られる限界効用は次第に小さくなる。」

つまり、最初はとても満足できても、だんだん「ありがたみ」が減っていくということです。

具体例で理解しよう!

例1:おにぎりを食べるときの満足度

  • 1個目のおにぎり:とてもお腹が空いていたので、満足度は「10」
  • 2個目のおにぎり:まあまあお腹がふくれ、満足度は「6」
  • 3個目のおにぎり:ちょっと無理して食べて、満足度は「2」

このように、同じ商品でも回数を重ねるごとに得られる満足度は減っていきます。

例2:ゲーム時間

  • 1時間目:新鮮で楽しい! 満足度「9」
  • 2時間目:だんだん飽きてくる。満足度「5」
  • 3時間目:疲れてくる。満足度「1」

最初の1時間が一番楽しく、長く続けるほど楽しさが減る例です。

グラフで見る限界効用逓減

限界効用の変化をグラフにすると、右下がりの曲線になります。

縦軸に限界効用(MU)、横軸に消費量(Q)をとると、以下のような関係が描けます。

\[ MU = f(Q) \quad \text{(右下がりの曲線)} \]

このグラフは、消費量が増えると限界効用が減るということを視覚的に示しています。

経済における影響・意義

限界効用逓減の法則は、以下のような経済行動の説明に役立ちます:

  • 需要曲線が右下がりになる理由:価格が下がると人はより多く買いたくなるが、それは限界効用が下がっていくから。
  • 財の選択:効用の高いものから順に消費することで、限られたお金で最大限の満足を得ようとする。
  • 割り当ての最適化:効用が均等になるように財を配分することで、全体の満足度を最大化。

この法則は、消費者行動の分析や価格政策、税制度の設計など、幅広い場面で応用されています。

まとめ

限界効用逓減の法則は、私たちが「同じものをたくさん手に入れても、だんだんありがたみが薄れていく」という感覚を理論化したものです。

高校の経済学ではもちろん、大学や現実の経済政策でも重要な基礎理論となっています。この法則を理解することで、より論理的に日常の選択を考えることができるようになります。

身近な経験から学べる法則なので、ぜひ自分の日常と照らし合わせながら理解を深めてみてください。

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