【高校数学で完全理解】cosnθをcosθの多項式で表す方法を徹底解説

【高校数学で完全理解】cosnθをcosθの多項式で表す方法を徹底解説

この記事では、三角関数の合成や複素数平面の知識を使って、「\\(\cos n\theta\\) を \\(\cos\theta\\) の多項式で表す方法」を高校生向けに丁寧に解説します。特に、ド・モアブルの定理加法定理を活用して、理論的な背景と具体的な計算方法の両方を理解していきましょう。

目次

1. なぜ cosnθ を cosθ の多項式で表すのか?

高校数学では、三角関数の合成や変換は非常に重要です。特に次のような場面で「\\(\cos n\theta\\) を \\(\cos\theta\\) の式で表したい」ことがあります。

  • 加法定理や倍角の公式の応用
  • 三角関数のグラフを描くとき
  • 複雑な三角関数を簡単化したいとき

また、入試でもよく問われる内容であり、三角関数を多項式的に操作できる能力は非常に強力です。

2. ド・モアブルの定理からのアプローチ

複素数平面を使うと、三角関数を指数関数的に扱えます。特に次の定理が有名です。

ド・モアブルの定理:

\\[ (\cos\theta + i\sin\theta)^n = \cos(n\theta) + i\sin(n\theta) \\]

この式の左辺を展開して、実部を取り出すと \\(\cos n\theta\\) の式が得られます。

3. cosnθ の cosθ 多項式展開の導出

\\(\cos\theta + i\sin\theta\\) を n 乗したときの展開は二項定理により次のようになります。

\\[ (\cos\theta + i\sin\theta)^n = \sum_{k=0}^{n} \binom{n}{k} \cos^{n-k}\theta \cdot (i\sin\theta)^k \\]

この中から 実部を取り出すには、偶数乗の項(\\(k\\) が偶数)だけを取り出して、\\(i^k\\) を評価します。

たとえば、n = 2 の場合:

\\[ (\cos\theta + i\sin\theta)^2 = \cos^2\theta – \sin^2\theta + 2i\cos\theta\sin\theta \\]

この実部は:

\\[ \cos(2\theta) = \cos^2\theta – \sin^2\theta \\]

ここで、\\(\sin^2\theta = 1 – \cos^2\theta\\) を代入すれば:

\\[ \cos(2\theta) = 2\cos^2\theta – 1 \\]

このように、\\(\cos n\theta\\) は常に \\(\cos\theta\\) の n 次以下の多項式で表せます。

4. 具体例で確認しよう(n=2, 3, 4)

n = 2 の場合

\\[ \cos(2\theta) = 2\cos^2\theta – 1 \\]

n = 3 の場合

三倍角の公式を用います:

\\[ \cos(3\theta) = 4\cos^3\theta – 3\cos\theta \\]

n = 4 の場合

\\[ \cos(4\theta) = 8\cos^4\theta – 8\cos^2\theta + 1 \\]

このように、\\(\cos n\theta\\) は \\(\cos\theta\\) の多項式として次々に展開できます。

5. 一般的な形のまとめ

\\(\cos n\theta\\) は次のような形式の多項式になります:

\\[ \cos(n\theta) = T_n(\cos\theta) \\]

ここで \\(T_n(x)\\) は チェビシェフ多項式と呼ばれ、以下の漸化式を満たします:

  • \\(T_0(x) = 1\\)
  • \\(T_1(x) = x\\)
  • \\(T_{n+1}(x) = 2x T_n(x) – T_{n-1}(x)\\)

この関係を使えば、\\(n\\) が大きくなっても逐次的に多項式を求められます。

6. まとめと学習のポイント

  • \\(\cos n\theta\\) は \\(\cos\theta\\) の n 次多項式として表せる。
  • ド・モアブルの定理と実部抽出により導出できる。
  • チェビシェフ多項式を使えば再帰的に求めることができる。
  • 三角関数を多項式的に扱えることは計算や証明で非常に有利。

高校数学の範囲でも理解可能なこのトピックは、数学の世界の奥深さを感じさせてくれる重要なテーマです。練習問題として、\\(\cos(5\theta)\\) や \\(\cos(6\theta)\\) を多項式で表してみましょう。

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