高校数学で使える!sin15°・cos15°・tan15°の徹底解説
15度という角度は、一般的な三角比の表には載っていないものの、試験や応用問題でよく登場する重要な角度です。本記事では、sin15°、cos15°、tan15°の具体的な値を求める方法から、覚え方、そして実際の活用方法までを高校生向けに丁寧に解説します。
目次
1. なぜ15°の三角比を知っておくべきか
15°は、45°−30°や60°−45°など、基本角の組み合わせで作れる角度です。そのため、三角比の合成公式を使えば正確な値を求められます。また、応用問題や図形問題では、「補角」「差角」などで頻出するため、覚えておくと非常に便利です。
2. sin15°・cos15°・tan15°の正確な値の導出
差角の公式を使って求める
15°は \( 45^\circ – 30^\circ \) なので、以下の三角比の公式を使います。
- \( \sin(a – b) = \sin a \cos b – \cos a \sin b \)
- \( \cos(a – b) = \cos a \cos b + \sin a \sin b \)
- \( \tan(a – b) = \dfrac{\tan a – \tan b}{1 + \tan a \tan b} \)
sin15°
\[ \sin 15^\circ = \sin(45^\circ – 30^\circ) = \sin 45^\circ \cos 30^\circ – \cos 45^\circ \sin 30^\circ \] \[ = \dfrac{\sqrt{2}}{2} \cdot \dfrac{\sqrt{3}}{2} – \dfrac{\sqrt{2}}{2} \cdot \dfrac{1}{2} = \dfrac{\sqrt{6} – \sqrt{2}}{4} \]
cos15°
\[ \cos 15^\circ = \cos(45^\circ – 30^\circ) = \cos 45^\circ \cos 30^\circ + \sin 45^\circ \sin 30^\circ \] \[ = \dfrac{\sqrt{2}}{2} \cdot \dfrac{\sqrt{3}}{2} + \dfrac{\sqrt{2}}{2} \cdot \dfrac{1}{2} = \dfrac{\sqrt{6} + \sqrt{2}}{4} \]
tan15°
\[ \tan 15^\circ = \dfrac{\tan 45^\circ – \tan 30^\circ}{1 + \tan 45^\circ \tan 30^\circ} \] \[ = \dfrac{1 – \dfrac{1}{\sqrt{3}}}{1 + 1 \cdot \dfrac{1}{\sqrt{3}}} = \dfrac{\dfrac{\sqrt{3} – 1}{\sqrt{3}}}{\dfrac{\sqrt{3} + 1}{\sqrt{3}}} = \dfrac{\sqrt{3} – 1}{\sqrt{3} + 1} \] \[ = \dfrac{(\sqrt{3} – 1)^2}{(\sqrt{3} + 1)(\sqrt{3} – 1)} = \dfrac{4 – 2\sqrt{3}}{2} = 2 – \sqrt{3} \]
3. 覚え方のコツ
- sin15°とcos15°の形は、√6±√2を4で割る形になる。
- tan15°は、2−√3と覚えるとよい。
- また、30°と45°の三角比(√3/2、1/2、√2/2など)をしっかり覚えておくと、差角の計算がスムーズにできる。
4. 実際の活用例(三角形の面積・ベクトル計算など)
例1:三角形の面積
2辺の長さとその間の角度が与えられているとき、面積は以下で求められます。 \[ S = \dfrac{1}{2}ab \sin C \] たとえば、2辺がそれぞれ5cm、7cm、間の角度が15°なら、 \[ S = \dfrac{1}{2} \cdot 5 \cdot 7 \cdot \sin 15^\circ = \dfrac{35}{2} \cdot \dfrac{\sqrt{6} – \sqrt{2}}{4} \] と表すことができます。
例2:ベクトルの内積
ベクトル \( \vec{a} \) と \( \vec{b} \) のなす角が15°のとき、内積は次の式で表されます。 \[ \vec{a} \cdot \vec{b} = |\vec{a}||\vec{b}|\cos\theta \] つまり、 \[ \vec{a} \cdot \vec{b} = |\vec{a}||\vec{b}|\cdot \dfrac{\sqrt{6} + \sqrt{2}}{4} \] という形になります。
例3:tanを使った傾きの計算
傾きがtan15°である直線の勾配は、\( 2 – \sqrt{3} \)です。例えば、傾きがこれと同じ直線の方程式は、 \[ y = (2 – \sqrt{3})x + c \] のようになります。
5. まとめ
- sin15°、cos15°、tan15°は、差角の公式を使って正確に導出可能。
- 覚え方は「√6±√2を4で割る(sinとcos)」と「tan15°=2−√3」。
- 三角形の面積計算、ベクトル、直線の傾きなど、様々な場面で登場。
- 試験でも頻出する角度なので、暗記しておくと有利!
以上、15°の三角比についての徹底解説でした。しっかり理解して、数学の得点アップに役立ててください!