Excelの日付・時間抽出関数の詳細解説
Excelの日付・時間抽出関数の詳細解説
概要
Excelでは、日付や時間のデータを扱うために、内部的にシリアル値として保存されています。この仕組みにより、様々な関数を用いて日付や時間の特定の部分を簡単に抽出することができます。
今回は、YEAR
, MONTH
, DAY
, WEEKDAY
といった日付に関する関数と、HOUR
, MINUTE
, SECOND
といった時間に関する関数の使い方を、初心者向けに詳しく解説します。
これらの関数を用いることで、日付や時間のデータから年、月、日、曜日、時、分、秒を取り出し、データの分析や処理を効率的に行うことができます。
各関数の使い方や具体例を交えて説明していくので、Excelで日付や時間を扱う作業が初めての方でも安心して取り組むことができる内容となっています。
YEAR関数の使い方
YEAR
関数は、指定した日付の「年」の部分を取り出すための関数です。書式は非常にシンプルで、次のようになります。
YEAR(シリアル値または日付)
例えば、セルA1に「2025/02/18」という日付が入力されている場合、以下の数式を使用することで年を抽出することができます。
=YEAR(A1)
この数式の結果は「2025」となります。
また、直接日付を関数内に記述することも可能です(ただし、Excelの設定によっては日付の形式に注意が必要です)。
=YEAR("2023/07/15")
この場合、結果は「2023」となります。
MONTH関数の使い方
MONTH
関数は、指定した日付の「月」の部分を取り出します。書式は以下の通りです。
MONTH(シリアル値または日付)
例えば、セルB1に「2024/11/05」という日付がある場合、次のようにして月を取得できます。
=MONTH(B1)
この場合、結果は「11」となります。
また、直接入力する例としては以下のようになります。
=MONTH("2022/03/22")
結果は「3」と表示されます。Excelでは月が1から12の数字で返されます。
DAY関数の使い方
DAY
関数は、指定した日付の「日」の部分を抽出するために使用されます。使用方法は非常にシンプルです。
DAY(シリアル値または日付)
例えば、セルC1に「2023/12/31」という日付が入力されている場合、次のようにして日を取り出します。
=DAY(C1)
この式の結果は「31」となります。
また、直接日付を指定する場合も同様に使えます。
=DAY("2021/08/09")
ここでは「9」が結果として返されます。
WEEKDAY関数の使い方
WEEKDAY
関数は、指定した日付の曜日を数字で返します。曜日の返し方は、関数の第2引数(省略可能)によって変わります。
WEEKDAY(シリアル値または日付, [種類])
デフォルトでは、日曜日が「1」、月曜日が「2」、…、土曜日が「7」となります。例えば、セルD1に「2023/10/01」(日曜日)が入力されている場合、以下の数式は次のような結果を返します。
=WEEKDAY(D1)
結果は「1」となります。
また、種類
に「2」を指定すると、月曜日を「1」とする方式に変更できます。
=WEEKDAY(D1, 2)
この場合、2023/10/01は日曜日なので結果は「7」となります。
別の例として、直接日付を指定して使う場合は以下のようになります。
=WEEKDAY("2022/01/01")
2022/01/01は土曜日のため、デフォルト設定では「7」と表示されます。
HOUR関数の使い方
HOUR
関数は、指定した時刻データから「時」の部分を取り出します。Excelは日付と時間を同じシリアル値として扱うため、時間部分も抽出することが可能です。
HOUR(シリアル値または時刻)
例えば、セルE1に「2025/05/10 14:30:45」という日時が入力されている場合、以下の数式で時間を取得します。
=HOUR(E1)
この場合、結果は「14」となります。
直接時刻のみの場合も同じです。
=HOUR("08:15:00")
結果は「8」となり、時刻データの「時」部分が正しく抽出されます。
MINUTE関数の使い方
MINUTE
関数は、指定した時刻データから「分」の部分を取り出します。使い方はとてもシンプルです。
MINUTE(シリアル値または時刻)
例えば、セルF1に「2023/09/15 09:45:30」が入力されている場合、次のように記述します。
=MINUTE(F1)
この数式は「45」を返します。
直接時刻を指定する例も以下の通りです。
=MINUTE("12:30:15")
ここでは「30」が結果として返されます。
SECOND関数の使い方
SECOND
関数は、指定した時刻データから「秒」の部分を抽出します。関数の使い方は以下の通りです。
SECOND(シリアル値または時刻)
例えば、セルG1に「2024/12/25 23:59:59」が入力されている場合、次の数式で秒を取り出せます。
=SECOND(G1)
この場合、結果は「59」となります。
また、直接時刻のみを指定する場合は以下のように使います。
=SECOND("07:20:05")
結果は「5」となり、秒の部分が正確に抽出されます。
実践例と応用
ここでは、これまで紹介した関数を組み合わせた実践的な例をいくつか紹介します。Excelでのデータ分析やスケジュール管理など、日付や時刻の情報をより詳細に活用するためのヒントです。
例1: 日付情報の分解
セルA1に「2023/06/18 10:25:30」が入力されているとします。各関数を用いて以下のように分解できます。
=YEAR(A1) ' 2023 を返す =MONTH(A1) ' 6 を返す =DAY(A1) ' 18 を返す =WEEKDAY(A1) ' 曜日を数字で返す(デフォルトは日曜=1)
同様に、時刻部分も分解できます。
=HOUR(A1) ' 10 を返す =MINUTE(A1) ' 25 を返す =SECOND(A1) ' 30 を返す
これにより、日付と時刻の各要素を個別に取得でき、さらに計算や条件分岐に利用することができます。
例2: 曜日の表示をカスタマイズ
WEEKDAY
関数の第2引数を使用して、曜日の表示方法を変更することが可能です。たとえば、月曜日を1、火曜日を2としたい場合は以下のようにします。
=WEEKDAY(A1, 2)
この方式を用いると、ユーザーの地域や用途に合わせた曜日表示を実現できます。
例3: 日付と時刻を組み合わせた表示
取得した年、月、日、時、分、秒を文字列として結合し、「YYYY-MM-DD HH:MM:SS」の形式で表示する場合、以下のようにします。
=YEAR(A1) & "-" & TEXT(MONTH(A1), "00") & "-" & TEXT(DAY(A1), "00") & " " & _ TEXT(HOUR(A1), "00") & ":" & TEXT(MINUTE(A1), "00") & ":" & TEXT(SECOND(A1), "00")
この数式を使用すると、元の日時データが整形され、レポートやグラフ作成時に利用しやすい形式に変換されます。
例4: 日付計算との組み合わせ
たとえば、特定の日付から何年後かを計算する際に、YEAR
関数を使用して現在の年を取得し、目的の年と差を求めることができます。
=YEAR("2030/01/01") - YEAR(TODAY())
この場合、今日の日付に対して2030年までの残り年数を計算することができます。
例5: 時間差の算出
2つの時刻の差を求めたい場合、Excelでは単純な引き算が可能です。例えば、セルA2に「14:00:00」、セルB2に「09:30:00」が入力されている場合、以下のようにして時間差を計算します。
=B2 - A2
その後、HOUR
やMINUTE
を使って、差分の「時」や「分」を抽出することも可能です。
このように、Excelの各種日付・時間抽出関数は、単体で使用するだけでなく、他の関数と組み合わせることで、非常に柔軟なデータ処理が実現できます。
実際の業務や個人のスケジュール管理、さらには複雑なデータ分析の際にも、大いに役立つテクニックです。ぜひ、今回の解説を参考にして、Excelでの作業をより効率化してください。
まとめ
本記事では、Excelで利用可能な日付・時間抽出関数について詳しく解説しました。YEAR
, MONTH
, DAY
, WEEKDAY
を使って日付の各要素を、またHOUR
, MINUTE
, SECOND
を使って時刻の各要素を取り出す方法を、具体的な例を通して理解していただけたと思います。
各関数の基本を押さえることで、日付や時刻データの操作が格段に楽になり、さまざまな応用が可能となります。これからのExcel作業にぜひ役立ててください。
最後に、内部リンクを使って各セクションに素早くアクセスできるようになっているため、必要な情報にすぐにたどり着ける点も便利です。
Excelの日付管理の基礎を理解することで、関数の使い方がより明確になります。
Excelは1900年1月1日を起点としたシリアル値で日付を管理しています。
時刻は1日を1として扱い、部分値として格納されています。
数値として扱われるため、演算が容易に行えます。
日付の計算にはDATEDIFやNETWORKDAYSなど、他の便利な関数も存在します。
これらの関数を組み合わせることで、複雑なデータ分析も可能です。
各関数はエラーが発生した場合、#VALUE!等のエラー値を返すことがありますので注意してください。
実務での使用例として、社員の入社日から勤続年数を計算するケースなどが挙げられます。
また、会議のスケジュール管理においても、日付と時刻の抽出は有用です。
初心者の方は、まずは簡単な例から試してみることをおすすめします。