連続整数の積と二項係数の関係とは?例題と応用で完全理解!
目次
連続する整数の積とは?
連続する整数とは、例えば「5, 6, 7」といったように数が途切れず並んでいる整数のことを指します。
このような連続する整数を \( n \) 個掛け合わせる操作を「連続整数の積」と呼びます。
たとえば、3つの連続した整数の積は以下のようになります: \[ 5 \times 6 \times 7 = 210 \]
一般的に、ある整数 \( k \) に対して、その数から始まる \( n \) 個の連続整数の積は \[ k(k+1)(k+2)\dots(k+n-1) \] と表されます。
二項係数の定義と性質
二項係数とは、組み合わせの数を表す記号で、以下のように定義されます: \[ \binom{n}{r} = \frac{n!}{r!(n-r)!} \] ここで、\( n! \) は \( n \) の階乗を意味し、\( n! = n(n-1)(n-2)\dots1 \) です。
例: \[ \binom{5}{2} = \frac{5!}{2!3!} = \frac{120}{2 \times 6} = 10 \]
この式は「5個のものから2個選ぶ方法は何通りあるか」を意味しています。
連続整数の積と二項係数の関係
連続する \( n \) 個の整数の積を二項係数で表すことができます。
特に、以下のような関係式が有名です: \[ \binom{n}{r} = \frac{n(n-1)(n-2)\dots(n-r+1)}{r!} \] 右辺の分子に注目すると、これは「\( n \) から始まる \( r \) 個の連続する整数(ただし逆順)の積」になっています。
したがって、 \[ n(n-1)(n-2)\dots(n-r+1) = \binom{n}{r} \cdot r! \] という形に変形でき、連続整数の積を二項係数と階乗で表せることがわかります。
例題とその解説
例題1:
\( 7 \times 6 \times 5 \) を二項係数を使って表せ。
解説: これは \( 3 \) 個の連続する整数の積です。上の関係式を用いれば、 \[ 7 \times 6 \times 5 = \binom{7}{3} \cdot 3! \] となります。 \[ \binom{7}{3} = 35,\quad 3! = 6 \Rightarrow 35 \times 6 = 210 \]
例題2:
次の積を二項係数を用いて表せ:\( 12 \times 11 \times 10 \times 9 \)
これは \( \binom{12}{4} \cdot 4! \) に一致します。 \[ \binom{12}{4} = \frac{12 \times 11 \times 10 \times 9}{4!} \Rightarrow \text{したがって、} 12 \times 11 \times 10 \times 9 = \binom{12}{4} \cdot 24 \]
応用問題への発展
応用1:組み合わせから積へ
問題:\( \binom{15}{5} \cdot 5! \) の値を求めよ。
\[ \binom{15}{5} = \frac{15 \times 14 \times 13 \times 12 \times 11}{5!} \Rightarrow \binom{15}{5} \cdot 5! = 15 \times 14 \times 13 \times 12 \times 11 \]
このように、組み合わせの式に階乗をかけることで「連続する整数の積」に戻せることがわかります。
応用2:分母に階乗がある形
問題:次の式を簡単にせよ: \[ \frac{20 \times 19 \times 18}{3!} \]
これは明らかに \[ \binom{20}{3} \] に一致します。
まとめ
- 連続する整数の積は、特定の形で二項係数と階乗に分解できる。
- 具体的には、\( \binom{n}{r} \cdot r! = n(n-1)(n-2)\dots(n-r+1) \) の形で表される。
- 連続整数の積と二項係数の関係は、組み合わせ問題の計算や確率の応用に頻繁に登場する。
この関係を理解しておくと、数学の応用問題や入試問題で強力な武器になります。