【高校数学】「解と係数の関係」完全理解!例題で学ぶ二次方程式の極意

【高校数学】「解と係数の関係」完全理解!例題で学ぶ二次方程式の極意

二次方程式の「解と係数の関係」は高校数学の中でも非常に重要なテーマです。本記事では、基本的な概念から応用的な活用法まで、例題を豊富に使って徹底的に解説していきます。

目次

1. 解と係数の関係とは?

二次方程式とは、一般的に次の形で表されます。

\[ ax^2 + bx + c = 0 \quad (a \ne 0) \]

この方程式に2つの解 \( x_1 \) と \( x_2 \) があるとき、実は次のような関係が成り立ちます。

  • 解の和( \( x_1 + x_2 \) )は \( -\frac{b}{a} \)
  • 解の積( \( x_1 \cdot x_2 \) )は \( \frac{c}{a} \)

この関係を使えば、方程式を解かずに解の性質を把握したり、逆に解から方程式を組み立てたりすることができます。

2. 解と係数の関係の公式

具体的には、次のようにまとめられます:

\[ x_1 + x_2 = -\frac{b}{a}, \quad x_1 x_2 = \frac{c}{a} \]

この公式は、解の公式をもとに展開すると証明できます。以下、簡単な証明を見てみましょう。

解の公式は以下の通りです: \[ x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 – 4ac}}{2a} \] これにより得られる2つの解 \( x_1 \), \( x_2 \) の和と積をそれぞれ計算すると:

  • 和: \[ x_1 + x_2 = \frac{-b + \sqrt{b^2 – 4ac}}{2a} + \frac{-b – \sqrt{b^2 – 4ac}}{2a} = \frac{-2b}{2a} = -\frac{b}{a} \]
  • 積: \[ x_1 x_2 = \left( \frac{-b + \sqrt{b^2 – 4ac}}{2a} \right) \left( \frac{-b – \sqrt{b^2 – 4ac}}{2a} \right) = \frac{b^2 – (b^2 – 4ac)}{4a^2} = \frac{4ac}{4a^2} = \frac{c}{a} \]

3. 例題1:解から方程式をつくる

例題: 解が \( 3 \) と \( -2 \) であるような二次方程式を求めなさい。

解説:
解が分かっている場合、次のように因数分解の形から方程式を作ることができます。

\[ (x – 3)(x + 2) = 0 \] \[ x^2 – x – 6 = 0 \]

このとき係数は \( a = 1, b = -1, c = -6 \) なので、

  • 解の和:\( 3 + (-2) = 1 = -\frac{b}{a} \)
  • 解の積:\( 3 \cdot (-2) = -6 = \frac{c}{a} \)

確認もバッチリですね!

4. 例題2:係数から解を推測する

例題: 次の方程式の解の和と積を求めなさい:
\( 2x^2 – 5x + 3 = 0 \)

解説:

係数を読み取ると、

  • \( a = 2 \)
  • \( b = -5 \)
  • \( c = 3 \)

したがって、

  • 解の和: \[ x_1 + x_2 = -\frac{-5}{2} = \frac{5}{2} \]
  • 解の積: \[ x_1 x_2 = \frac{3}{2} \]

実際に解の公式で解いてみると確認できます。

5. 応用問題:文字を含む係数の利用

例題: 方程式 \( x^2 + (k+2)x + k = 0 \) が、解をもち、かつその一方の解が 2 のとき、定数 \( k \) の値を求めなさい。

解説:
一方の解が 2 なので、もう一方を \( \alpha \) とします。解と係数の関係より:

  • 和: \[ 2 + \alpha = – (k + 2) \Rightarrow \alpha = – (k + 2) – 2 = -k – 4 \]
  • 積: \[ 2 \cdot (-k – 4) = k \Rightarrow -2k – 8 = k \Rightarrow -3k = 8 \Rightarrow k = -\frac{8}{3} \]

このように、解と係数の関係を活用することで、文字を含む問題も解けるようになります。

6. まとめとポイント

  • 解と係数の関係は、方程式の構造を深く理解するための強力な武器です。
  • 二次方程式が与えられたとき、解をわざわざ求めなくても和と積をすぐに計算できます。
  • 解から逆に方程式をつくる際にも便利です。
  • 文字が含まれる応用問題にも対応できるよう、十分に練習しておくことが重要です。

高校数学で重要なテーマの1つである「解と係数の関係」を、例題とともに完全に理解しておけば、入試や定期テストでも安心です。

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