【C++】文字列(std::string)の後ろから特定の文字や任意の文字数を削除する方法

【C++】文字列(std::string)の後ろから特定の文字や任意の文字数を削除する方法

概要

C++において、文字列(std::string)の後ろから特定の文字や任意の文字数を削除する操作は、日常的なプログラミングでよく求められる処理です。例えば、ユーザー入力の余分な改行や空白を取り除いたり、ファイルパスの不要な部分を削除したりする場合などがあります。

本稿では、C++で後ろの文字を削除するための様々な方法について、豊富なコード例を交えて詳しく解説します。シンプルな方法から柔軟性の高い方法まで、用途に応じたテクニックを学ぶことができます。

pop_back()を使った削除方法

C++11以降では、std::stringのメンバ関数であるpop_back()を利用して、文字列の最後の1文字を削除することができます。シンプルな操作で、文字列が空でないことを確認してから実行する必要があります。


// 例: 文字列の最後の1文字を削除する
#include 
#include 

int main() {
    std::string str = "Hello!";
    if (!str.empty()) {
        str.pop_back(); // '!'を削除
    }
    std::cout << str << std::endl; // 出力: Hello
    return 0;
}
  

注意点: pop_back()は文字列が空の場合に呼び出すと未定義動作になるため、必ず空チェックを行ってから実行してください。

erase()を使った削除方法

erase()関数を用いると、文字列の任意の位置から指定した文字数を削除することができます。後ろの文字を削除する場合、文字列のサイズと削除する文字数を利用して実装するのが一般的です。


// 例1: 最後の1文字を削除する
#include 
#include 

int main() {
    std::string str = "World!";
    if (!str.empty()) {
        str.erase(str.size() - 1, 1); // 最後の1文字を削除
    }
    std::cout << str << std::endl; // 出力: World
    return 0;
}
  

// 例2: 最後の3文字を削除する
#include 
#include 

int main() {
    std::string str = "HelloWorld";
    if (str.size() >= 3) {
        str.erase(str.size() - 3, 3); // "rld" を削除
    }
    std::cout << str << std::endl; // 出力: HelloWo
    return 0;
}
  

ポイント: erase()の第一引数には削除開始位置、第二引数には削除する文字数を指定します。文字数が固定の場合に便利です。

remove_if()とerase()による削除方法

時には、文字列の末尾から条件に合致する文字(例えば、空白や特定の記号)をすべて削除したい場合があります。こういった場合、STLのremove_if()erase()を組み合わせる方法が有用です。

以下は、文字列の末尾から空白文字を削除する例です。逆方向のイテレータ(rbegin()rend())を利用し、条件を満たす最初の位置を見つけてから削除しています。


#include 
#include 
#include 
#include 

int main() {
    std::string str = "Hello World   ";
    // 末尾から空白でない最初の文字を探す
    auto it = std::find_if(str.rbegin(), str.rend(), [](unsigned char ch) {
        return !std::isspace(ch);
    });
    // イテレータを通常のものに変換して末尾位置を取得し、削除する
    str.erase(it.base(), str.end());
    std::cout << '"' << str << '"' << std::endl; // 出力: "Hello World"
    return 0;
}
  

解説: find_ifを用いて逆方向から最初に空白でない文字を見つけ、it.base()で通常の順方向のイテレータに変換してから、末尾までの範囲を削除しています。

正規表現を使った削除方法

C++11以降では、<regex>を用いて文字列操作を行うことができます。正規表現を使うと、特定のパターンに合致する末尾の文字列を一括して削除することが可能です。

以下は、文字列の末尾に連続する数字を削除する例です。


#include 
#include 
#include 

int main() {
    std::string str = "Sample12345";
    // 正規表現: 数字が末尾に1回以上続くパターン
    std::regex pattern("(\\d+)$");
    // 該当部分を空文字に置換
    str = std::regex_replace(str, pattern, "");
    std::cout << str << std::endl; // 出力: Sample
    return 0;
}
  

補足: 正規表現は柔軟ですが、パフォーマンスに影響を及ぼす場合もあるため、用途に応じて使用することをお勧めします。

カスタム関数による削除方法

特定の文字セットに基づいて末尾の文字を削除したい場合は、カスタム関数を作成する方法もあります。以下の例では、指定された文字(例えばピリオドや感嘆符など)が末尾に連続している場合に、それらを削除する関数を実装しています。


#include 
#include 
#include 

// 指定した文字が末尾に続く場合、すべて削除する関数
std::string removeTrailingChars(const std::string &input, const std::set &charsToRemove) {
    std::string result = input;
    while (!result.empty() && charsToRemove.count(result.back())) {
        result.pop_back();
    }
    return result;
}

int main() {
    std::string str = "Hello World!!!";
    std::set removeSet = {'!', '.', '?'};
    std::string newStr = removeTrailingChars(str, removeSet);
    std::cout << newStr << std::endl; // 出力: Hello World
    return 0;
}
  

ポイント: カスタム関数を用いることで、柔軟に削除条件を設定でき、将来的な変更や拡張にも対応しやすくなります。

その他のヒント

後ろの文字を削除する際の注意点として、以下の点を考慮してください。

  • 空文字列のチェック: どの手法を用いる場合でも、文字列が空の場合に操作を行わないようにすることが重要です。
  • パフォーマンス: 頻繁に文字列操作を行う場合、アルゴリズムの選択がパフォーマンスに大きな影響を与えることがあります。特に正規表現は、単純な操作に対してはオーバーヘッドとなる場合があるため、状況に応じた最適な手法を選びましょう。
  • 不変条件の確保: 文字列の長さやインデックス計算に注意し、範囲外アクセスなどのエラーを防止するためのチェックを忘れずに実装しましょう。
  • 可読性: コードの可読性や保守性を考慮し、関数化やコメントの充実を図ることで、後の変更や拡張が容易になります。

これらのテクニックを理解し、適切に使い分けることで、C++での文字列操作がより効率的かつ安全に行えるようになります。

本稿で紹介した方法を参考に、自分のプロジェクトに最適なアプローチを選んでください。各例は基本的なものですが、実際のアプリケーションではさらに複雑な条件やエラーチェックが必要になる場合もあります。

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