JavaScriptにおけるエスケープ文字の解説
JavaScriptでは、文字列中に特殊な文字を埋め込むためにエスケープ文字を使用します。エスケープ文字はバックスラッシュ (\
) を基にしており、特定の文字や動作を表現できます。このページでは、エスケープ文字の詳細な説明と具体例を解説します。
- 改行文字(\n)
- タブ文字(\t)
- 引用符のエスケープ(\’ と \”)
- バックスラッシュのエスケープ(\\)
- ユニコード文字(\uXXXX)
- 16進数コード(\xXX)
- ヌル文字(\0)
- キャリッジリターン(\r)
- 垂直タブ(\v)
- 改ページ(\f)
改行文字(\n)
\n
は改行を示すエスケープ文字です。文字列を複数行に分けて表示する場合に使用します。
const message = "こんにちは\n世界!";
console.log(message);
// 出力:
// こんにちは
// 世界!
タブ文字(\t)
\t
はタブスペースを示します。文字列の中で列を揃えるのに役立ちます。
const data = "名前\t年齢\t国\n太郎\t25\t日本\n花子\t30\tアメリカ";
console.log(data);
// 出力:
// 名前 年齢 国
// 太郎 25 日本
// 花子 30 アメリカ
引用符のエスケープ(\’ と \”)
文字列内でシングルクォート('
)やダブルクォート("
)をそのまま使用する場合、\
を使ってエスケープします。
const singleQuote = 'これは\'シングルクォート\'です。';
const doubleQuote = "これは\"ダブルクォート\"です。";
console.log(singleQuote);
// 出力: これは'シングルクォート'です。
console.log(doubleQuote);
// 出力: これは"ダブルクォート"です。
バックスラッシュのエスケープ(\\)
バックスラッシュそのものを文字列に含めたい場合、\\
を使用します。
const path = "C:\\Users\\User\\Documents";
console.log(path);
// 出力: C:\Users\User\Documents
ユニコード文字(\uXXXX)
\uXXXX
はユニコードを用いて特定の文字を表現します。XXXX
には16進数コードを指定します。
const heart = "\u2764";
console.log(heart);
// 出力: ❤
16進数コード(\xXX)
\xXX
を使用して1バイトの16進数コードで文字を表現できます。
const smiley = "\x3A\x29";
console.log(smiley);
// 出力: :)
ヌル文字(\0)
\0
はヌル文字を示します。ただし、文字列の終端を示すものではありません。
const nullChar = "Hello\0World";
console.log(nullChar);
// 出力: Hello World
// (ヌル文字自体は表示されないが、文字列に含まれる)
キャリッジリターン(\r)
\r
はキャリッジリターンを示します。通常、改行文字(\n
)と一緒に使用されます。
const message = "Hello\rWorld";
console.log(message);
// 出力: World
// ("Hello" が "World" に上書きされる)
垂直タブ(\v)
\v
は垂直タブを示しますが、現代のブラウザではあまり使用されません。
const verticalTab = "Hello\vWorld";
console.log(verticalTab);
// 出力: Hello
// World
// (環境によって挙動が異なる場合があります)
改ページ(\f)
\f
は改ページを示します。プリンター制御のために使われていましたが、現代の環境ではほとんど使われません。
const formFeed = "Hello\fWorld";
console.log(formFeed);
// 出力: Hello World
// (環境によって挙動が異なる場合があります)
以上がJavaScriptにおける主要なエスケープ文字の解説です。エスケープ文字を正しく理解し、効果的に活用してください。