【LaTeX】alignとequationの違い
LaTeXでのalignとequationの違い
LaTeXは数式を記述するために非常に強力な機能を提供します。その中でも、align
とequation
は最もよく使われる環境です。どちらも数式を表示する目的で使用されますが、それぞれ異なる特徴と用途があります。このページでは、align
とequation
の違いを詳しく解説し、具体例を挙げながらその使い方を説明します。
equation環境とは
equation
環境は、単一の数式を中央揃えで表示し、自動的に番号を付ける環境です。特に、論文やレポートなどで個別の数式を明確に示したい場合に使用されます。
基本的な構文は以下の通りです。
\begin{equation} E = mc^2 \end{equation}
このコードは以下のように表示されます。
(1) \(E = mc^2\)
特徴:
- 単一の数式のみを表示する。
- 自動的に数式番号が付与される。
- ラベルを付けて参照可能(
\label
と\ref
を使用)。
例:以下はラベルを使った例です。
\begin{equation} \label{eq:newton} F = ma \end{equation} 本文中で式 \ref{eq:newton} を参照します。
align環境とは
align
環境は、複数の数式を並べて表示するための環境です。特に、複数の数式を揃えて見やすくする場合に役立ちます。&
記号を用いて揃える位置を指定します。
基本的な構文は以下の通りです。
\begin{align} a + b &= c \\ d + e &= f \end{align}
このコードは以下のように表示されます。
(1) \(a + b = c\)
(2) \(d + e = f\)
特徴:
- 複数の数式を扱える。
- 数式の一部を揃えることが可能。
- それぞれの行に自動的に番号が付与される。
例:揃えを利用した具体例
\begin{align} x &= 1 + 2 + 3 + \cdots + n \\ &= \frac{n(n+1)}{2} \end{align}
この例では、&
を使って等号(=
)の位置を揃えています。
番号付けの制御
equation
およびalign
環境では、番号付けを制御することができます。たとえば、番号を付けたくない場合は\nonumber
または*
を使います。
例:番号を非表示にする
\begin{equation*} E = mc^2 \end{equation*} \begin{align} a + b &= c \nonumber \\ d + e &= f \end{align>
このコードでは、\nonumber
によってalign
の1行目の番号が非表示になります。
使い分けのポイント
align
とequation
を使い分ける際のポイントを以下にまとめます。
- 単一の数式の場合:
equation
を使用。 - 複数の数式を揃えて表示する場合:
align
を使用。 - 数式番号が不要な場合:
*
付きの環境を使用(例:equation*
やalign*
)。 - 複数の段階で計算を示す場合:
align
が適切。
まとめ
align
とequation
は、それぞれ異なる用途で使用される数式環境です。equation
は単一の数式を簡潔に示したい場合に適し、align
は複数の数式を揃えて表示する際に威力を発揮します。どちらも使いこなすことで、読みやすい数式を記述できるようになります。