• stdbool.hとは？
• 真偽値型の使い方
• 論理演算子との組み合わせ
• 条件式での利用例
• 他の型との比較

stdbool.hとは？

「stdbool.h」は、C言語で論理型（真偽値型）を使用するために提供されるヘッダファイルです。このヘッダをインクルードすることで、C言語で「bool」型を使えるようになります。従来のC言語では、論理型は整数型（0 または 1）で表現されていましたが、「stdbool.h」を使用することで、より明確に真偽値を扱うことができます。

「stdbool.h」を使うことで、コードの可読性や保守性が向上し、誤解を防ぐことができます。

真偽値型の使い方

「stdbool.h」をインクルードすると、C言語において「bool」という型が使用可能になります。この型は、_Bool型のエイリアスであり、true（真）またはfalse（偽）の値を取ります。従来のC言語では、整数型を使って論理値を表現していましたが、これにより、論理値を意味する型として「bool」を使えるようになります。

#include <stdbool.h>

int main() {
    bool is_valid = true;  // true（真）を代入
    bool is_empty = false; // false（偽）を代入

    if (is_valid) {
        printf("有効です。\n");
    } else {
        printf("無効です。\n");
    }

    return 0;
}

上記のコードでは、is_validという変数にtrueを代入し、それが真である場合に「有効です。」と表示されます。

論理演算子との組み合わせ

「stdbool.h」を使った場合、論理演算子（&&, ||, !）とも組み合わせて使用できます。これらの演算子を使用することで、複雑な論理条件を簡潔に表現できます。

#include <stdbool.h>

int main() {
    bool a = true;
    bool b = false;

    if (a && !b) {
        printf("aは真でbは偽です。\n");
    }

    if (a || b) {
        printf("aまたはbは真です。\n");
    }

    return 0;
}

このコードでは、aが真でbが偽の場合に最初の条件が満たされ、「aは真でbは偽です。」と表示されます。また、論理和演算子||を使って、aまたはbが真である場合の条件も判定しています。

条件式での利用例

「bool」型は条件式の判定でも頻繁に使用されます。特に、関数の返り値として真偽値を返す場合や、条件分岐において使われます。

#include <stdbool.h>

bool is_even(int number) {
    return number % 2 == 0;
}

int main() {
    int num = 10;

    if (is_even(num)) {
        printf("%dは偶数です。\n", num);
    } else {
        printf("%dは奇数です。\n", num);
    }

    return 0;
}

このコードでは、is_even関数が引数として渡された整数が偶数であるかどうかを判定し、その結果を真偽値として返します。main関数では、is_even(num)が真であれば「偶数です」と表示され、偽であれば「奇数です」と表示されます。

他の型との比較

「stdbool.h」を使用することで、整数型（0 または 1）と「bool」型を直接比較することができます。0は偽（false）、非ゼロ値は真（true）として扱われます。

#include <stdbool.h>

int main() {
    int num = 1;

    if (num) {
        printf("numは真として扱われます。\n");
    } else {
        printf("numは偽として扱われます。\n");
    }

    return 0;
}

ここでは、整数型のnumが0でないため、「numは真として扱われます。」と表示されます。従来のC言語では整数型で真偽値を表現していましたが、「stdbool.h」を使うことで、コードの意図がより明確になります。